富山のカルチャーを伝え、
まちを盛り上げる仕事。

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入学、クラス替えなど環境の変化が多い新学期シーズンの4月もあっという間に半月が過ぎました。春は何か新しいものにチャレンジするのにぴったりな季節ですね。今回インタビューしたのは、「SOGAWA BASE」や「ほとり座」を運営する株式会社EVERT副社長の蛯谷さんです。富山に対する思いや、現在の仕事に至るまでの経緯について深掘りしてみました。

お世話になった地元に恩返し。

――まずは、株式会社EVERTの事業について教えてください。

蛯谷さん：富山県内の施設や店舗の企画・運営、その過程でイベント企画などを行っています。例えば、富山の個性的な人やお店が集結したSOGAWA BASEのような空間を作る仕事や、ミニシアターとライブホールの「ほとり座」のように富山で様々なカルチャーを楽しめる場を作る仕事をしています。

――企画・運営とは具体的にどんなことをするんですか？

蛯谷さん：企画・運営というのは、プロジェクトのコンセプトや事業計画の立案、空間の設計、販促物など事業の立ち上げから改善提案までトータルでコーディネートをしています。地域の建築士さんやデザイナー、映像・音楽クリエイターさんたちと一緒にチームになって進めていきます。

――どのような経緯で現在のお仕事をしようと思ったんですか？

蛯谷さん：大学への進学を期に上京しましたが、元々地元の場所や人に恩返しをしたいという気持ちはあり、富山に戻ることも視野に就活を行っていたんです。しかし、ピンとくる会社を富山で見つけることができませんでした。そんな中、東日本大震災をきっかけに、死が身近にあることを意識するようになり、やりたいことを深堀して考えるようになりました。その結果、富山で暮らしを楽しくするお店や場所を作る仕事をしようと思いました。

目標に向かって経験を積んだ20代

――学生時代のキャリアについて教えて下さい。

蛯谷さん：学生時代はなんとなくの感覚で生きていました（笑）。周りの友達が行くから進学校に行って、関東の四年制大学に進学という感じで特に明確な目標を持って行動した訳ではありませんでしたね。

――新卒ではどのような道に進んだんですか？

蛯谷さん：大学時代の就活時期から富山を盛り上げたいという思いがあったので、人間力が売り物になって食いっぱぐれがなさそうという点でIT関連のコンサル会社に新卒で就職しました。ただ、気づいたら研修で経験したプログラミングにハマり、システムエンジニアみたいになっちゃってました（笑）。

――技術的なこともしていたんですね。意外です！

蛯谷さん：モニター３台を前に毎日PCと会話する日々でしたね。ただ、東日本大震災を機に、アレ？こうやって生きていきたいんだっけ？と（笑）。それから、商業施設や店舗を企画する原宿のベンチャー企業に転職しました。経験者しか採用してない会社でしたので、修行のつもりで「あなたたちはカッコいい、富山でいつか同じことができるようになりたい、タダでいいから働きたい」って伝えて無理矢理入れてもらいました。

若いうちからできること。

――富山に戻るきっかけになった出来事は？

蛯谷さん：ベンチャー企業で働いている頃、将来的には富山に戻って仕事をしたいと色んな人に言っていました。それが実ってか、富山県美術館のオープニングイベントを企画する仕事の話が来て、富山に戻って仕事をすることになりました。また、ちょうどその頃EVERTを一緒に設立した社長の田辺に出会い、互いの方向性が近かったことから一緒に起業して活動することになりました。

――これまでの人生を振り返ると、経験がかなり豊富ですね

蛯谷さん：なんとなくの選択肢が今につながっているので、これまでの経験で無駄なことはなかったと思います。ただ、今思えばもう少し自分の道を早く決断して行動したかったと後悔の気持ちもあり、若い頃から何かに熱中していた同年代を見ると羨ましく思います。

――最後に富山の中高生のみなさんへメッセージをお願いします！

蛯谷さん：今はSNSが普及していて、アンテナをたてておけば世界中で活躍している人や憧れる人の生き方が見え、出会いに行ける時代です。情報を消費するだけではなく、夢や目標を見つける入り口を見つけるという視点を意識してみてほしいです。そうしたら、今よりさらに密度の濃い時間を過ごせると思います。