
vol.81
July 30, 2025
入善高校農業科の富富富(ふふふ)が全国へ。
給食にも届いた、お米のバトン。
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入善高校農業科の生徒たちが、自分たちの手で田植えから稲刈りまでを行い、大切に育てた富山米「富富富」。そのお米が、全国67校が出場した「全国農業高校お米甲子園」で特別優秀賞を受賞しました。さらに地元・入善町の小学校給食にも提供され、子どもたちからは「おいしい!」の声も。農業の魅力や地域とのつながりを実感した3人に、栽培の工夫ややりがい、これから挑戦したいことを聞きました。


高校生の手で育てた「富富富」が全国大会で評価
――農業科ではどのようなことに取り組んでいますか?
杉澤さん:田植えや稲刈りはもちろんですが、草刈りや溝切りといった作業も多いです。私たちは今年、「富富富」という富山県のブランド米を栽培し、そのお米で全国農業高校お米甲子園に出場しました。日々の管理や品質チェックなど、地道な作業が大切です。
――「全国農業高校お米甲子園」はどんな大会だったんですか?
濵田さん:全国67校が出場して、食味と呼ばれるお米のおいしさを競う大会です。食味は、水分量やタンパク質、脂肪酸などの成分に加え、香りや食感、味といった総合的な評価で決まります。私たちの「富富富」は全体のバランスが素晴らしいとの評価を受け、最終審査に進んで特別優秀賞をいただきました!
――地元の給食に出されたときは、どんな気持ちでしたか?
廣木さん:すごく嬉しかったです。入善小学校の児童たちが「おいしい!」って笑顔で食べてくれて、自分たちの育てたお米が地域に広がっていくのを実感しました。授業では、富富富とコシヒカリの違いについてのクイズも出して、お米に対して興味を持ってくれる子が多かったです。


こだわりと工夫の1年間。農業高校生のリアルな日常
――栽培で特にこだわった点はありますか?
杉澤さん:ドローンを使って空撮し、生育のバランスを確認しました。去年は稲の草丈にばらつきがあったので、それを踏まえて観察を強化しました。草刈りも手を抜かず、虫がつかないように注意しました。小さな積み重ねが品質につながっていると思います。
――作業の中で、難しかったことや印象に残っていることは?
廣木さん:生育調査で稲の草丈を測るとき、正しい測り方がわからなくて苦労しました。あと、溝切りも大変でした。大きな機械を動かしてぬかるんだ田んぼを歩くのは、想像以上に体力がいりました。でもやりきった後の達成感は大きいです。
――最新の農業技術も使ったそうですね!
濵田さん:自動操縦の田植機は、ハンドルを握らなくてもまっすぐ植えられるので初心者でも作業しやすかったです。ドローンも生育の偏りを視覚的に把握できて便利でしたが、得られた情報をどう活かすかはまだ課題だと感じました。


農業と向き合う中で見えた未来と、伝えたいこと
――農業科に入ったきっかけを教えてください。
廣木さん:祖父が趣味で野菜を育てていて、それが楽しそうだったからです!
杉澤さん:父と祖父がこの学校の農業科出身で、農家でもあるのでその影響が大きいです。
濵田さん:家から近かったことと、普通科にはない行事が多くて楽しそうだったからです(笑)。
――今後、挑戦してみたいことや目標はありますか?
杉澤さん:課題研究で、米粉を使ったラーメンやクレープをつくってみたいです。お米を炊いて食べる以外の形でも魅力を伝えていけたらと思います。もっと多くの人に「富富富」の良さを知ってもらいたいです。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします!
杉澤さん:農業って、自分の手で育てた作物が形になって、人に喜ばれるのが本当に嬉しいんです。野菜やお米を育てると、いつもの食事がもっとおいしく感じられるし、やったことがない人にもぜひ一度体験してほしいです。きっと新しい楽しさが見えてくると思います!

入善高等学校|農業科
入善高校農業科では、田植えや稲刈りなどの基礎作業に加え、ドローンや自動運転の田植機を活用した最新技術も学べる。栽培した富山米「富富富(ふふふ)」は全国農業高校お米甲子園で特別優秀賞を受賞。地元の小学校給食への提供も行うなど、地域とつながる実践的な農業教育に力を入れている。
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