vol.90
December 15, 2025
見慣れた富山が、ジオラマの世界に。
Wallyさんが生み出す「じおらま富山。」の正体。
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富山の景色がまるでジオラマのように見える映像。SNSで話題の「じおらま富山。」を知っていますか?
この作品を手がけるのは、射水市出身の映像作家・Wally(ウォーリー)さんです。2023年11月の本格始動から1年足らずでフォロワー12万人を突破し、その独自の世界観は国内外から注目を集めています。見慣れた風景を新しい視点で切り取り、富山の魅力を発信し続けるWallyさんに、活動の原点やこだわり、そして中高生へのメッセージを伺いました。
氷見線
環水公園
富山の魅力を“自分の切り取り方”で発信
――「じおらま富山。」としての活動のきっかけを教えてください。
Wallyさん:もともとは企業やお店から依頼を受けて映像をつくる商業映像のクリエイターとして活動していましたが、次第にアーティストとしての表現にも挑戦したいと思うようになりました。富山の景色を自分なりの視点で切り取ってみたいと考え、以前から知っていたミニチュア風の技法を試してみたのがきっかけです。今の機材でも十分に制作できるとわかり、そこから本格的に活動を始めました。
――「じおらま富山。」という名前の由来は?
Wallyさん:この撮影技法はもともと「ミニチュア風」と呼ばれているんですが、「ジオラマ風」にすると英語表記の最後が“RAMA”になって、富山の“YAMA”とも語呂が合うんです。そこがしっくりきて、この名前にしました。遊び心でつけた名前ですが、もしこの表現自体が「ジオラマ風」と呼ばれるようになったら、それはそれで面白いなとも思っています。
――撮影場所はどんな場所を選んでいますか?
Wallyさん:高い場所から街を見渡せるところが理想なんですが、富山にはそうしたスポットが少なくて、最初はなかなか撮影場所を見つけられず苦戦しました。いまは「富山 高い場所」で検索したり、SNSで景色を調べたりして、撮影できそうだと思ったら実際に足を運びます。撮影を通して、地元なのに知らなかったスポットに出会えるのも楽しいですね。
立山室堂
“伝統の逆”から生まれる、新しいジオラマ表現
――「ジオラマ風の景色」に見せるための工夫はありますか?
Wallyさん:従来のジオラマ風の映像は、コントラストや彩度を強調して、作り物らしさを出す手法が一般的でした。私はその逆で、色をあえて抑え、よく見ると不思議な違和感が生まれるような、よりリアル寄りの表現を目指しています。ジオラマ風に仕上げること自体が目的ではなく、「これは何だろう?」と一度立ち止まってもらえるような映像作品にしたいという思いがあります。
――制作時間はどれくらいかかりますか?
Wallyさん:撮影時間は作品によってさまざまですが、長くても半日ほどです。Instagramに投稿しているショート動画であれば、編集は仕組みを作っているので30分ほどで仕上がります。ただ、展示用の大作となると全く別で、数分の映像でも画面の揺らぎやフィルム質感など細部までこだわるため、比べものにならないほど時間がかかります。
――印象に残っている撮影場所はありますか?
Wallyさん:一番印象に残っているのは立山の室堂ですね。ロープウェイなどの交通網が整っていて、山登りは大変というイメージがありますが、気軽に圧倒的な景色にたどり着ける場所なんです。自然の中で撮影できること自体が新鮮で、とても印象深い体験でした。
松川べり
世界に届いた富山の景色と、これからの挑戦
――発信を続ける中で、特に心に残っている出来事はありますか?
Wallyさん:富山市がニューヨーク・タイムズの“2025年に行くべき52カ所”に選ばれたとき、海外のフォロワーから「これ、あなたの街じゃない?」とメッセージが届いたんです。その瞬間、富山の景色が自分の作品を通して世界に届いていると実感し、続けてきてよかったと心から思いました。
――これから挑戦したいことはありますか?
Wallyさん:来年からは、映像だけでなく写真にも広げていきたいと考えています。表現の幅も広がりますし、写真ならではの汎用性もあるので、映像と並行して取り組みたいですね。最近は海外企業から機材提供のお話もいただいているので、新しい機材を使った撮影にも挑戦しながら、表現の幅をさらに広げていきたいと思っています。
――最後に中高生へメッセージをお願いします!
Wallyさん:「夢は戦略的に諦めるな!」と伝えたいです。がむしゃらに挑戦することも大事ですが、考えて動くことも同じくらい重要です。準備が100%整うことはありませんが、70〜80%まで戦略を固めて行動すれば、夢には最短距離で近づけます。行動力と戦略の両方を持ちながら、ぜひ挑戦してみてください!
Wally|じおらま富山。
富山県射水市出身の映像作家。商業映像の制作を続けながら、2023年に「じおらま富山。」としての発信をスタート。見慣れた富山の景色を、まるでミニチュアのように切り取る独自の映像が話題となり、SNSでは国内外から多くのフォロワーを集めている。地元の風景に“気づき”と“遊び心”を加えることを大切にし、富山の魅力を新しい形で届けようと日々制作を続けている。
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