vol.65
November 30, 2024
地域の課題は地域で解決、
新川高校が朝日町の未来を創る。
- #LOCALFISHCAN
- #缶詰
- #地域活性化
- #朝日町
- #コミュニティビジネス
- #新川高校
新川高校コミュニティビジネス部では、ビジネスを学びながら地域や企業と協力し、商品開発に取り組んでいます。今回、海の課題解決を目指す「LOCAL FISH CAN グランプリ2024」で、朝日町の資源を活かした缶詰開発に挑戦し、見事ベストグルメ賞を受賞しました。地域の問題解決に情熱を注ぎ、未来を見据えた取り組みを続ける高校生たち。その熱い想いと挑戦の軌跡を追います。
朝日町の課題を解決する、商品開発。
――このプロジェクトに参加するきっかけは何でしたか?
学生:昨年度、滑川高校がこの大会に出場しているのを知り、その取り組みに大きな刺激を受けました。今年は北陸からの出場校が私たちだけということで、地域を代表して挑戦したいという思いが一層強まりました。また、全国大会が東京で開催されると聞き、正直「東京に行ってみたい!」という気持ちもありましたね(笑)
――今回、なぜ「ウニ」を使った商品開発を選んだのですか?
学生:朝日町の海ではムラサキウニが増えすぎて、海藻を食い荒らし、漁業にも悪影響が出ているんです。そこで、ただ駆除するだけでなく、何か有効活用できないかと考え、ウニを商品化することにしました。形が悪く商品にならないウニをペースト状に加工し、さらに地元の規格外野菜も加えてペースト状の保存食であるリエット風に仕上げています。こうすることで、地元資源を活かしながら、環境保護にも役立つ商品を目指しました
――「LOCAL FISH CAN グランプリ」について教えてください。
学生:この大会は、高校生が地域と協力して、地元の資源を使って海の課題を解決するプロジェクトです。今年は全国から66校が参加し、一次審査で半数に絞られ、二次審査で9校が選ばれました。私たちは最終審査でベストグルメ賞をいただくことができました。単に味が良いだけでなく、地域の課題を商品にして発信するという私たちの取り組みが評価ポイントだったようです
「LOCAL FISH CAN グランプリ」への挑戦
――商品開発の過程で、地域の方々とどのような協力がありましたか?
学生:朝日町の缶詰工場や農家さんたちに協力していただき、すべて地元の素材と設備を活かして商品を完成させることができました。規格外の人参は細かくしてリエットに使ったり、パッケージデザインには朝日町の風物詩である立山、桜並木、チューリップ、菜の花の「四重奏」を採用。このプロジェクトを通じて、地域の皆さんとの連携の大切さを改めて感じ、地元への愛着もさらに深まったと感じています。
――プロジェクトの中で、苦労したことはありましたか?
学生:はい、一番苦労したのは味の調整です。ウニの風味を活かしつつ、リエットとしてのバランスをとる必要があり、特に塩加減には細心の注意を払いました。数グラム単位で味が変わってしまうので、試作を何度も重ねて調整していきました。また、缶詰加工に適した色味や風味を保つ工夫も必要で、魚津市のホテル「グランミラージュ」のシェフからいただいたアドバイスを参考にしながら、理想の味に近づけていったんです。
――受賞した瞬間の気持ちを教えてください
学生:プレゼンはとても緊張しましたが、私たちの想いや地元への愛情が審査員の方々に伝わったのではないかと感じています。受賞が決まった瞬間は、本当に嬉しく、思わず笑みがこぼれました。大会に協力してくださった地元の皆さんや、応援してくれた方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
さらなる挑戦と朝日町の未来への貢献
――最近は、日本酒の開発にも取り組んでいると伺いました。
学生:コミュニティビジネス部を中心に、理科部、美術部、ボランティア部、華道部と協力し、日本酒づくりに挑戦しています。すべて魚津産の素材にこだわり、“オール魚津”を掲げて製造を進めています。田植えや稲刈りなど、お米づくりも自分たちで行い、地元の農家さんや酒造、市役所と連携しながら製作を進行中です。私たち高校生は試飲ができませんが、地元の人々に愛される日本酒を目指し、心を込めて取り組んでいます。
――パッケージのデザインや、コンセプトにはどんな思いが込められていますか?
学生:デザインは美術部が手がけており、黄色やピンクといった親しみやすい配色を取り入れています。この日本酒は観光客向けというよりも、地元の方々や初めて日本酒を初めて飲む人に気軽に手に取ってもらえるような親近感のあるデザインを意識しました。この日本酒が地域の魅力を伝える存在になれば嬉しいです。
――開発した商品を今後どのように活用していきたいですか?
学生:この商品たちを通して、朝日町の魅力をもっと多くの方に知ってもらいたいと考えています。ふるさと納税の返礼品や、県内のサービスエリア、観光施設での販売も検討中です。観光客の方に“朝日町の味”を味わっていただければ、地域の食文化の発信にも繋がると思います。また、これらの商品がきっかけとなり、朝日町だけでなく、私たちの高校や地元企業の名前もより多くの方に知っていただけたら嬉しいです。
新川高等学校|コミュニティビジネス部
新川高校コミュニティビジネス部は、地域や企業と連携しながらビジネスの実践を通じて、商品開発や地域課題の解決に挑戦する部活動。「LOCAL FISH CAN グランプリ2024」では、朝日町の豊かな資源を活用した缶詰を開発し、見事ベストグルメ賞を受賞。地域の未来を見据え、情熱と創意工夫で新たな価値を生み出し続けるその姿が注目を集めている。
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