vol.70

February 15, 2025

高校生が小学校の先生に。
科学の楽しさを届ける特別授業。

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小学生に科学の魅力を伝えようと、富山県立滑川高校薬業科の3年生たちが出前授業に挑みました。出前授業とは、高校生が学校を飛び出し、地元の小学生たちのもとで特別な科学の授業を行う取り組みです。7人の生徒が協力して行った初めての授業。その中で生まれた学びや工夫、そして未来に向けた想いに迫ります。

小学生に科学の魅力を伝える出前授業

――出前授業ではどのような実験を行いましたか?

大田さん:小学校5年生を対象に、「色の変わる粘土作り」の実験授業を行いました。酸性やアルカリ性で色が変わるアントシアニンを含む紫キャベツの煮汁を使い、小麦粉と混ぜて粘土状にしました。レモン汁や重曹水を加えることで、粘土の色がピンクや青緑に変化する様子を小学生に楽しんでもらいました。

――今回の実験を選んだ理由を教えてください。

飯村さん:理科離れが進む中、小学生が楽しみながら科学の原理を理解できる実験を考えました。他にもスライム作りやスーパーボール作りなどの案がありましたが、「色の変化」という目に見える結果が科学の不思議さを直感的に伝えられると考え、この実験を選びました。

――出前授業に挑戦した理由は何ですか?

海野さん:去年、先輩たちが行った出前授業を見て、小学生が楽しそうに実験している姿に感動しました。先輩たちが達成感を感じている様子を見て、私たちも挑戦したいと思ったのがきっかけです。また、科学を楽しく学べる機会を小学生に届けたいという気持ちもありました。

もっと、身近に科学を楽しんでもらいたい

――メンバーの役割分担を教えてください。

谷川さん:7人のチームで役割分担を決め、1人が授業の進行役として前に立ち、他の6人は小学生のサポートを担当しました。進行役は粘土の作り方や色が変わる仕組みを丁寧に説明し、サポート役は児童が困っていないか見回りながら、実験の手助けをしました。

――小学生に分かりやすく伝えるためにどのような工夫をしましたか?

飯村さん:色が変わる原理の説明を分かりやすくするために、味覚やお菓子など身近なものを例に挙げるなど、言葉遣いや説明の仕方にも工夫を凝らしました。小学生が興味を持ちながら学べるように、できるだけ具体的で簡単な表現を心掛けました。

――今回の授業ではどんな反応がありましたか?

海野さん:児童の1人から「家でもやってみたい!」と言われたときは、やりがいを感じました。また、「今までで一番楽しかった」という声を聞けたことで、科学の楽しさを伝えられたという達成感を味わいました。小学生に教える経験を通じて、相手に分かりやすく伝える工夫や言葉遣いの重要性を学びました。

科学を学び、活かし、人を支える未来へ

――薬業科では、どのような授業や実習を行っていますか?

大田さん:あらゆる薬品の性質や用途について詳しく学ぶとともに、実習では成分を熱や化学反応で加工し、薬品を実際に作る実験を行っています。自分の手で薬品を作り、その効果や性質を確認することで、学んだ知識が実際にどのように応用されるのかを深く理解できます。

――薬業科を選んだ理由やきっかけを教えてください。

海野さん:幼い頃から体が弱く、薬に助けられることが多かったため、薬を通じて同じように困っている人を支えたいと思ったのがきっかけです。その想いから、薬品について深く学べる薬業科を選びました。また、自分自身が薬に助けられた経験を生かし、薬の重要性をより多くの人に伝えたいと思っています。

――将来どんなことに挑戦したいですか?

谷川さん:将来は製薬会社に就職し、仕事を完璧にこなせるプロフェッショナルになりたいです。そのために、暗記力を活かして実験器具や薬品の名前を正確に覚えたいです。また、実習で「手順を確実に守ることの重要性」を学んだので、どんな作業でも一つひとつを丁寧に進めることを心掛けたいです。

 滑川高等学校|薬業科

滑川高等学校|薬業科 

富山県立滑川高校薬業科では、小学生に科学の魅力を伝えることを目的とした「出前授業」を実施。高校3年生の7名が中心となり、地元の小学校で特別な科学授業を行った。高校生ならではの工夫を凝らし、実験の面白さを体験してもらうことで、子どもたちの興味を引き出す貴重な機会となった。

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